2017.10.14
扁桃腺摘出手術を終え、退院しました。入院から退院までの詳細な動きと気持ちとを【総集編】として記します。長文です。
僕自身入院前、扁桃腺摘出手術を受けられた先輩方のレビューを見て安心したり怖くなったりしました(笑)。今から扁桃腺摘出手術を受けるあなたにとって、安心してもらえる⁉1つの材料となることを願っております。
入院から手術まで
扁桃腺摘出手術レビュー①スケジュールにもあるように、一般的には手術前日から入院し10日間で退院というスケジュール。手術後の入院期間が長くね?てのが最初の感想でした。
こんなに長い理由は出血の有無や痛みを注意深く観察する必要があるからです。
扁桃腺摘出自体は難しい手術ではないが、患部が喉の奥だけに摘出時の傷を縫い合わす事が出来ず、むきだしです。そのため傷口から出血する事があります。
「別に出血くらいどうって事ないでしょ?」て思った僕に先生は続けてこう言いました。
「手術後の出血リスクは全体の5%ほどですが、出血がヒドイと血の塊が気管を塞いで窒息するリスクがあるため慎重に経過を見るんだよ」
「もし早く退院してそれが起こった場合、処置の遅れが大惨事を招く可能性があるため、慎重に経過を見るんだよ」
「えっ、出血しても飲み込めば大丈夫じゃないすか?」
「血は必ずしも液体とは限らないんだ。飲み込んで気管を詰まらせたら大変だ!絶対に飲み込んではダメだよ」
「えっ、でも鼻から呼吸すれば大丈夫じゃないすか?」
「鼻と口は喉の奥で繋がっていて、ちょうど繋がった下側に扁桃腺があるんだよ」
僕の幼稚な質問にしっかりと答えてくれた先生に感謝です。因みに軽い出血なら患部を焼いて止血し、重い止血ならもう一度全身麻酔をして止血手術をするんだって!、、、怖っ!!!
入院期間長くね?て思ってた僕は一転、「少しでも長く病院に居たい!先生、お願いします!!」て思う様になりました。モノにはちゃんと理由があるんですね。
もう一点このスケジュール表で気になったのが「手術後おしっこの管が入ってる事があります」て一文。
全身麻酔の場合、基本的なルールとしておしっこの管を通すらしいが書き方が曖昧だったので「たかだか2時間くらいの手術でおしっこの管が必要なの?」的な思いを先生にぶつけてみた。
「イヤですよね?気持ちはわかります。おしっこの管なしの方向で麻酔科の先生に聞いておきますよ」と言ってくれた。先生がより好きになった瞬間だった。
手術当日
そんなこんなで万全の体制で迎えた手術当日、Tシャツにハーパンというラフな格好で手術室へと向かう。
手術前室でTシャツを脱ぎ、ハーパンのみで手術台へと横たわる。ここでも「おしっこの管なしの方向で!」と伝えた僕に「はい、わかりました」と答えてくれた。
少し肌寒かったが、電気毛布的な暖かいヤツを被せてもらい良い気持ち。
そのまま点滴と口を塞ぐ呼吸器みたいのを付けられて「ゆっくり深呼吸して下さいね」と言われ、3回ほど深呼吸をしたところから記憶がない。気づいた時には手術が終わっていた。
「柴田さん、わかりますか?」「痛みはどうですか?」という看護婦さんの意識確認の声で目を覚ました。
喉の痛みはほとんどなく、すぐに「ハイ!」と答えれた。が、麻酔から覚めたてはボーとしている。手足は動くがかなり重い。そして、若干の吐き気。幸い吐くことはなかったが吐き気はこの後1時間ほど続いた。
意識確認が終わると先生が来て「手術は無事終わりました。取った扁桃腺見ますか?」と言われ「ハイ!」と即答した。
見せてもらった扁桃腺は思ったよりデカく直径5センチくらいの円形のモノが2つあった。意識、脈拍、血圧などの確認が終わると部屋に戻れる。当然本人は動く事が出来ないので、看護婦さん4人で僕をベッドへと運ぶ。
この時気づいたが、僕はハーパンもパンツも脱がされており、T字体という名のフンドシと、前開きの手術着を羽織っていた。
ベッドへと運ぶ際に、それらがはだけて僕の大事な部分が可愛く顔を出してるのが恥ずかしかった。T字体という名のフンドシはズレまくっており、もはや意味を成してない。それに気づいてタオルを掛けてくれた看護婦さん、ありがとう。
手術室へと向かったのが13:30でベッドに戻って来たのが16:00くらい。ここから20:00までは絶対安静と言われた。希望通りおしっこの管はないので、もしもの場合は尿瓶(しびん)らしい。
10:00から飲み物を断ってるので、おしっこしたくなることはなかった。因みに食べ物は00:00から断っている。
唾を飲み込む時にややツラいものの痛みはほとんどない。が、何とも言えない圧迫感があり、やや呼吸がしづらい。それでも横になってるぶんには特に不自由ないので携帯でYouTubeを見ながら20:00を迎えた。
安静が解除されるとゆっくり起こされ、歩けるか?うがいが出来るか?飲めるか?の確認。特に問題なく出来たので「食事されますか?」と勧められたて、腹ペコだったので「ハイ」と即答した。
食事といっても流動食。お粥とも呼べないような白く味の薄い液体、お吸い物的な汁、ジョア、野菜ジュースというラインナップ。全て飲み終える事が出来ました。感謝、感謝。
食事後の歯磨きやらうがいをする際に、唾を吐いたら少し赤かった。野菜ジュースのオレンジが混ざって赤く見えるのかな?とも思ったが、一応看護婦さんに確認してもらった。
喉の奥を見てもらったが特に出血はなく一安心。野菜ジュースの可能性もあるし様子見となった。
その後も携帯をいじっては寝て、いじっては寝てを繰り返し、夜中にトイレへと向かった。
洗面器に唾を吐くと血が混じっていた。驚いて看護婦さんを呼び喉の中を見てもらう。肉眼での出血は確認出来ず、何度か唾を吐くと消えたので、またも様子見。
これが5%の出血に入るのかどうかは謎だが、その後も携帯をいじりながら寝た。
手術から数日後
手術から3日経った朝、喉が痛くて唾を飲み込むのが辛かった。熱は36.9℃だったが明らかにだるい。
朝ごはんを食べて、この日から許されたシャワーに入って厚着して寝た。
昼ごはんを持ってきてくれた看護婦さんに気づくも起きる気になれず13時過ぎまで寝た。
昼過ぎに起きたがやっぱり喉が痛い。ご飯の前には必ず痛め止めを飲むのだが、とてもご飯を食べれそうにないほどだった。
3分粥だが30分くらいかけて全てを食べる。そしてまた寝た。今日はよく寝る。
そして16時ごろ起きてトイレに行って洗面器に唾を吐くと見事に赤かった。すぐにナースコールを呼び看護婦さんに相談。「あー血が出てますね」とのこと。
すぐに処置室に行き先生に診てもらう。「あー血が出てますね」とのこと。「ちょっと血を吸って抑えておくので、今日は夕飯抜きね」、、、なんか凄い悪いことした気分。
「明日の朝までは氷をくわえて血管を締めておいてね。ひどくなるようならジュッ!と焼かないといけないから。明日の朝まで様子をみて、出血がなければご飯を開始しましょう」だってさ。
術後、順調に来てたと思いきやまさかの落とし穴。これは確実に5%の出血に入るんだろうな~と、氷くわえながら凹んだ夜でした。
4日目の朝、唾を飲み込みにくいのは相変わらずだが吐いた唾に血は混ざっておらず安心した。が、唇と舌が痛い。左右ともに上唇に口内炎が出来ている。おそらく手術で使った口を開けておく器具の影響だろう。手術直後よりも、3.4日経った方が色々痛いと感じる。
朝の診察が終わり食事再開したが、まさかの5分粥。「昨日出血した人により硬い食事は大丈夫なの?」とか思えてしまう。
5日目の朝、喉、唇、舌が痛い。抗生剤や痛み止めは錠剤だが、そのままでは飲めないのでお湯で溶かしてもらう。意外と嫌な顔された。
予定では手術か7日後に退院だったが、若干の出血が続いていたため2日ほど伸ばしてもらった。
手術から10日に次男の保育園の運動会を控えており「お父さんそれは絶対に行きましょう。頑張りましょう!」と先生や看護婦さんからも励ましの言葉を頂き、二人三脚で頑張ってきた(僕はパソコンいじってるだけだが)。
そしていよいよ退院という日の明朝、事件は起こった!
明朝2時、なんか寝苦しくて息苦しくて目が覚めて洗面器に唾を吐くと、そこには真っ赤な血。唾というレベルではなくドロドロとした真っ赤な血。すぐにナースコールを連打して看護婦さんを呼ぶ。その間もドロドロとしは血は出続け息苦しい。
看護婦さんは「落ち着いて、まず座って下さい」というが座ってなんかいられない。とにかく息苦しい。このまま窒息するんじゃないか?と思えるほどだった。
「血が出た場合は飲まずに吐いて」と言われてたことを思い出し、喉に血が詰まらないように下を向きオデコを低くすると鼻から血が出てきた。
どうすりゃいいの?とパニックになる。
血圧計やら酸素計を取りつけられるとやはり異常値らしく、すぐに先生を呼んでもらい深夜の診察が始まった。もう一度全身麻酔での止血手術が脳裏をよぎる。
先生が来てくれて細い吸入器て喉の奥のドロドロ血を吸ってくれた。一気に楽になり、そのまま細部まで吸ってもらい傷口を診てもらった。「傷は開いてもなくキレイです。肉眼では出血箇所を確認できないくらいです」と言われ、安心したような、してないような、、、。
先生曰く、かさぶたが剥がれるタイミングでは起こり得ることで、これっきり出なければ何も問題ないし、もし出続けるなら全身麻酔して止血手術となるらしい。嬉しいような、悲しいような、、、。
あの血の量を見た時には「止血手術へ直行だ!」と思った事を考えれば、まあ良かったとしておこう。後から看護婦さんに聞いたら60gの出血だったそうだ。そんな出血騒ぎがあって次男の運動会へは不参加が決まりました、、、。残念!
ただこの出血騒ぎは序章にすぎず、この後起こる悲劇を僕は知る由もなかった、、、。
悲劇
手術から11日目の夜、20:30からシャワーに入ろうと下着が入ってる引き出しを開けた瞬間、口の中にあったかい感覚が吹き出て来た。
すぐ隣にある洗面器に唾を吐くと真っ赤な血。またも出血だ!ナースコールを鬼プッシュし看護婦さんを呼んだ。
看護婦さんは血を見てすぐに先生を呼ぶ。その間も血は止まらない。そして息苦しい。
とにかく飲み込まないように!と血を吐き続ける。血を吐く合間に先生が止血剤などで処置するもなかなか止まらない。またも再手術!が脳裏をよぎる。
僕は再手術なんてイヤだから懸命に血を吐きつつ合間に氷水でうがいをする。しかし、血は止まらない。
とうとう先生の口から「再手術」の言葉が出た。愕然としながらも覚悟を決めて再手術を受け入れた。
足早に同意書にサイン。てかサインする以外に選択肢はない。嫁とオヤジに看護婦さんから確認の電話が入る。オヤジには入院のことも手術のことも言ってなかったからさぞビックリしただろう(笑)。
手術室を押さえた後、すぐに車イスに乗せられて手術室へと向かった。再手術も当然全身麻酔。しかも緊急なので色々とリスクが上がるとのこと。
夕飯から1時間程しか経ってないので、麻酔中にそれらの逆流が起こりえる。とか、出血が酷いままの止血手術は首を切って行うかも。とか、
や、やめます!て言いたかったけど、そんな状況じゃないし、息苦しいのは事実。
麻酔をかけられる寸前まで血を吐いていたし、ずっと吐いてるのを見かねた先生が「あんまり血が出るなら首切って始めるか?」とか言い出す始末。
やめてー!!!て思いながらもそのまま眠るように全身麻酔をかけられました。
ICU(集中治療室)
そして12時間後に目を覚ますと、僕はICUにいた。
口の中には呼吸を確保する太い管が入っており、周りに4.5人の看護さんと先生がいて全員で「大丈夫ですよ」と声をかけてくれる。が、何が何だかわからない。
苦しみながら管を抜き、なんとか喋れたので「僕の首は大丈夫ですか?」と先生に尋ねた。
「首は大丈夫ですよ!口からで手術は終わりました」とのことで一安心。
ここで嫁とオヤジとの面会。特にオヤジはビックリっだったろうから余計に優しかった。心配させてごめんね。、、、でも俺、、、扁桃腺取っただけなんだよ。
ここで嫁から詳しい再手術の様子を聞けた。僕の出血は喉の動脈からだったらしく、そこを焼いて止血してさら縫い合わせたらしい。
安静が必要だったため大事をとって12時間呼吸器をつけて眠らせて、大事をとってICUで診てくれたとのこと。こうなる確率は3%らしい。
ICUに入ったことで、急に重病感が増していった。が、呼吸に関わる部分だし、苦しい思いもしたし、厳重に診てもらえるなら良いかな~と思い、精一杯ICUに楽しんだ。
ICUにはテレビもあり、夜には「キングオブコント2017」がやっていて、全部見れた。が、、、全然笑えなかった。
というのも12時間も呼吸器を付けていた影響か、喉を縫った影響か、喉の奥の違和感がハンパない。常に何かが引っかかってる感じで息苦しい。
出血してた時のトラウマもあり、唾を飲み込むのが怖い。こんな状況で見るキングオブコントを楽しめるはずがなかった。
その日の夜もICUで寝て翌朝10:00には一般病棟へと移った。喉の違和感は次第に消えていき、その頃には息苦しさもなかった。
せっかくなので2泊したICUの設備を紹介します。
- 縦、横、伸縮自在のベッド
- 血圧、酸素濃度、心電図など僕の全てをモニタリング
- エコノミー症候群を防ぐ足マッサージマット
- いつでも、なんでもしてくれる看護さん♡
- 唯一の娯楽、テレビ