腎臓疾患を抱える患者には、場合により食事制限を強いられる事がある。
主な制限は下記の4項目
・塩分
・カリウム
・水分
これらについてまとめてみました。
タンパク質
食事から摂るタンパク質は体内で代謝され、不要なものは老廃物として尿から排出されます。
老廃物が多いほど腎臓に負担がかかるため、腎臓疾患の方はタンパク質が制限される場合があります。
タンパク質制限量:体重(kg)×0.6~0.7g/日
タンパク質必要量:体重㎏×1.1〜1.2g/日
しかし、タンパク質を制限すると同時にカロリー摂取量も減ります。
カロリーが不足すると、体内の筋肉を分解しタンパク質からカロリーを補おうとし、余計に負担がかかります。
そうならないよう、不足しがちなカロリーを糖質や脂質で補う必要があります。
カロリー必要量:体重(kg)×35kcal/日
そして、タンパク質には体内に吸収されやすい良質なタンパク質とそうでないタンパク質があり、アミノ酸スコアによって判断できます。
アミノ酸スコアが高いほど良質なタンパク質であり、摂取量が制限される中でいかに良質なタンパク質をとれるかが求められます。
塩分
腎機能低下によりナトリウム(食塩)の排出が上手くいかなくなり、血中の塩分濃度が高まります。
これにより高血圧や浮腫を引き起こします。
もともと高血圧の方は特に気をつけましょう。
塩分制限量:塩分3~6g/日
塩分必要量:9g/日(女性7.5g/日)
カリウム
腎機能障害が進むと(ステージG4~5)血中のカリウム濃度が高くなる場合があります。
これが進むと非常に危険で、不整脈が起きたり突然の心停止に至ることさえあります。
こうした危険を避けるために、カリウムの摂取量が制限されます。
カリウム制限量:1500mg/日
カリウム必要量:2500mg/日(女性2000mg/日)
水分
腎機能障害が進むと(ステージG4~5)水分の排出が出来なくなりむくみがひどくなります。
このような状態では水分摂取量が制限されます。
水分制限量:医師の指示に従う
水分必要量:1.5L/日
まとめ
上記の制限量は、あくまでも一般的なのもであります。
大前提として食事制限(療法)は医師の指示に従いながら行いましょう。
というのも、制限しすぎると逆効果になるケースもあるからです。
腎機能低下の程度や合併症の有無など、個人によって大きく変わる可能性があります。
医師と相談し、無理のないハッピーな食生活を送りましょう。