腎生検の結果、IgA腎症と診断されました。
ということで、IgA腎症について調べた事をまとめます。
目次
IgA腎症ってどんな病気?
尿潜血や尿蛋白などの尿所見を呈し、優位なIgA沈着を糸球体(腎臓の組織)に認め、その基礎疾患が認められないものである。
腎生検後20年で40%が末期腎不全に陥ると報告され様々な治療が行われているが、確立された治療法はなく、それぞれの治療効果の検証が行われている。
発症率は10万人あたり3.9〜4.5人/年。
日本人の患者数は33,000人と推計される。
病因
IgA腎症は、何らかの理由で糸球体沈着性のIgAが血液中に増加し、メサンギウム(腎臓の組織)に沈着し腎障害を起こすと考えられる。
病因はまだ明らかではないが、上気道感染時に悪化する例を認め粘膜免疫が病因に関与すると考えられる。
一部の症例では上気道感染や消化器感染により肉眼的血尿を伴う臨床症状を認めることから、本病因と粘膜免疫の関連が疑われる。
実際に扁桃腺摘出で腎症改善例を認める。
症状と診断
IgA腎症の発見動機は、
- 健診時の尿検査 71.2%
- 肉眼的血尿 11.5%
- 急性腎炎様症状 4.5%
- ネフローゼ様症状 2.9%
- その他 9.9%
で、進行性の腎機能低下例では、中等度から高度の尿蛋白、高血圧、腎機能低下の順で出現することが多い。
尚、IgA腎症は腎生検によってのみ診断される。
免疫組織化学的に糸球体へのIgAの優位な沈着が認められる腎炎である。
尿検査所見
多くの症例が血尿、尿蛋白で発症し、これを契機に腎生検がなされることから、IgA腎症診断のために検尿は必須である。
尿異常の診断には3回以上の検尿を必要とし、そのうち2回以上は一般の尿定性試験紙法に加えて、尿沈渣の分析も行うこととする。
確立したIgA腎症のバイオマーカーはない
血液検査所見
血液検査でIgA腎症に必発所見と言えるものはない
頻発所見として半数の患者に血清IgA値315mg/dl以上の高値を認める。
腎生検の適応
持続的尿潜血、持続的尿蛋白、血清IgA高値などによりIgA腎症を強く推測することが出来るが確定診断には腎生検が必須である。
進行度合いや治療法の選択を臨床所見、検査所見からのみ判断することは不十分であり、組織も評価するために腎生検を考慮する。
因みに日本では腎生検の1/3がIgA腎症と診断される。
重症度分類
日本では「IgA腎症治療指針第3版」にて分類される。
組織学的重症度分類と臨床的重症度分類とを合わせて重症度を分類する。
重症度に合わせて各治療法が選択される。
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